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多元構成、拡大し続ける天津消費市場 (1)
天津で最も重要な商圏は濱江道歩行街
2012年9月18日
 直轄市天津の美しい都会の風景
直轄市天津の美しい都会の風景
 天津は中国四大直轄市のひとつで、面積は1万1917.3k㎡、1354万人以上の人口を擁する。中国の四番目の工業基地と3番目の外国貿易港口の都市の2011年のGDPは1兆1190億元にも達し、前年比では18%の成長を見せた。上海、北京、広州、深センに次いで全国5位に位置する。

 天津の消費力は誰もが認めるところだ。11年の小売売上高は3395億600万元で、上海、北京、深セン、広州、重慶に次ぐ(重慶の人口は天津の2倍以上あるので、天津の消費力がいかに強いかが分かる)。中央財経大学がまとめた「2012年中国大陸地区都市消費力調査報告」によると、天津は上海、北京、広州に次いで4位となっている。

 市の中心には五大商圏があり、「工」の字型の配置を呈している。上部の横1本のラインは南京路商圏で、ここから東方向に伸びた先に小白楼商圏がある。中間の縦1本のラインは濱江道商圏。下の横1本のラインは和平路商圏で、ここから北方向に伸びた先に東馬路商圏があり、巨大な都市の核心を形成している。

 濱江道歩行街は天津で最も重要な商圏で、和平路歩行街と交差するところが天津商業拠点の密度が最も高く、買物客の流れが最も密集する商業エリアである。濱江道は長年にわたり商業慣性が形成されてきており、天津人の生活の一部であるとともに、旅行客が天津を訪れたとき必ず立ち寄る場所でもある。濱江道歩行街は各都市の歩行街と似て、中国のファッションブランドとスポーツウェア専売店がメインで、大衆消費のポジショニングである。

濱江道歩行街は天津第一の商圏
濱江道歩行街は天津第一の商圏
 しかし、他の歩行街と異なる点がある。それは、商場と呼ばれる伝統的な百貨店が多いことで、勧業場、中原百貨、友誼新天地、トレンドファッション路線をいく麦購休閑広場,858 城市広場、利福広場などがある。また、あらゆる大衆ブランドが集まっている。各百貨店は膨大な数の「お得意客層」をベースにしながらも、熾烈な割引合戦を繰り広げている。週末の人の流れは驚くべきものがあり、商場のブランドのポジショニングは高くないものの、非常に活気ある様相を呈している。

 南京路商圈のポジショニングはミドル~ハイエンドのトレンドファッションで、業態は百貨店がメインである。ホワイトカラーとトレンド消費者がターゲットで、あらゆるファストファッションブランドと日系ブランドがここに集中している。ZARAとMUJIは米莱欧百貨、ユニクロは国際商場、H&Mは楽賓百貨にそれぞれ進出しており、また伊勢丹とヤマダ電機も南京路に集中している。

天津伊勢丹百貨は中国の伊勢丹の中でも売上№1の支店である。
天津伊勢丹百貨は中国の伊勢丹の中でも売上№1の支店である。
 天津伊勢丹は、伊勢丹にとって中国初の店舗であり、業績が一番いい店舗でもある。18年の営業を通じて、現在会員数は20万を超え、営業額も10億元を突破している。国際的な化粧品ブランドと高級日式スーパーを有しており、南京路商圏で独自の風格を放っている。一方、11年に開業したヤマダ電機は、豊富な日系ブランドと優れた会員システムで消費者の注目を集めたものの、現段階ではまだ人気があるとは言えず、市場への浸透をもう少し待つ必要がある。

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