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「双十一」で盛り上がる中国EC業界
「独身の日」は販売激増?EC各社の販促合戦
2012年11月9日

 中国では11月11日が「独身の日(中国語で「光棍節」)」とされる。独立した棒(数字の1)だけで日付けが構成されていることが由来らしい。1990年代から学生の間で流行し始め、今では広く知られるところになっている。11の数字が二つ並ぶことから「双十一」とも呼ばれている。

 近年、この日はネット通販各社にとって格好の販売促進の場になっている。独身男性向けに「この日ばかりは財布のひもを緩くして、自分のために散財してみては?」という狙いがあるのだろうか。各社が積極的なキャンペーンを仕掛け、ほとんどの企業でこの日の販売額が1年中で最も大きくなる。淘宝網(タオバオ)は2011年、この独身の日に取引総額52億元(約650億円)という驚異的な数字を残した。

 今年も各社が販売増加のチャンスを狙っている。業界の雰囲気に合わせてセールを行うという受動的な企業も、今年は自分から積極的に動いているというのが特徴のようだ。

 騰訊(テンセント)傘下の易迅(51buy)は、低価格ブームをけん引してきた大手の京東商城(360buy)に「宣戦布告」している。同じ商品が京東商城の販売価格より高かったら、その差を補てんするという「貴就賠」キャンペーンだ。すでに11月5日からスタート。このあからさまな戦略に対し、EC業界はついに全面的な価格戦状態に入ったという声も聞かれる。

 最大手の天猫(Tモール=元・淘宝商城)は、例年通り11月11日当日に5割引セールを行う予定。ただ、直前に定価を吊り上げておいて当日に値引きという詐欺行為に近い方法を採っているとの非難もあるため、慎重な戦略が求められるだろう。家電量販最大手の蘇寧電器は、グループ傘下の蘇寧電器、蘇寧易購、楽購仕(ラオックス)でセールを行うが、オンライン・オフライン共に同価格で製品を販売する。米ウォルマートが出資する1号店は「1千万元相当の商品券提供」「1千アイテムを50%オフ」などのキャンペーンを打ち出す。

 一方、今年の8月15日の大型キャンペーンで、その強引な値引き戦略に非難が集まった京東商城はおとなしめだ。購入時の商品券提供などによる実質割引が中心になるとされる。

 今年の「双十一」セールは週末に当たるため、例年以上に盛り上がるとされる。各EC業者は「2012年最後の価格戦」と捉え、販促を強化する。

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