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南京発の蘇寧、ネット総合企業への脱皮図る(1)
中国チェーン企業No.1の蘇寧雲商集団
2013年11月15日

 蘇寧雲商集団は家電量販チェーン最大手の蘇寧電器を中核とする小売グループ企業だ。ネット販売部門の蘇寧易購を今後の発展の中心に据えながら、商業施設や銀行の経営などにも乗り出し、業容を拡大している。2009年にラオックスを買収したことで、日本でも名が知れ渡るようになった。中国連鎖経営協会がまとめた2012年中国チェーン企業ランキングでは、堂々の1位に輝いている。

 蘇寧雲商集団の前身は、張近東・董事長が1990年に設立したエアコン販売専門店の蘇寧交電集団。南京市内の200平方メートルの店舗で、社員十数人からのスタートだった。だが、「配送・設置・メンテナンス」を一体化した業界初のサービスが市場で好評となり、経営が軌道に乗るのに時間はかからなかった。96年に揚州に進出してチェーン展開の端緒を開くと、99年に南京旗艦店をオープンし、総合家電販売業へと業態転換。01年6月に蘇寧電器へと名称を変更した。

 04年には深セン証券取引所に株式を上場。10年に電子商取引(EC)事業の蘇寧易購を本格スタートさせるなど、順調に規模を拡大している。13年3月には蘇寧雲商集団に商標変更。社名から「電器」を外し、インターネット販売やサービス業を融合した新たなビジネスモデルを構築する考えが込められているという。

 調査会社の北京中怡康時代研究によると、12年の中国家電市場規模は1兆1596億元に上った。蘇寧雲商集団の12年売上高は約980億元なので、市場シェアはざっと8.5%となる。12年末時点での店舗展開数は、中国、香港、日本で計1705店。中国では271都市で1664店舗を運営している。

 業界のライバルは国美電器。こちらもたたき上げの創業者が率いる民営企業だ。07年ごろまでは両社の売上高や店舗数がほぼ拮抗していた。ただ、08年に国美電器の創業オーナーが株価操作などの疑いで当局に拘束されると、状況が一変。09年以降、蘇寧の1人勝ち状態となった。12年の売上規模は、蘇寧の約980億元に対し国美は約478億元とダブルスコアとなっている。(続)

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