中国が「世界の工場」から「世界の市場」へと変貌を遂げると言われて久しい。実際、外資系企業の進出も、かつての製造業中心から小売りや飲食などのサービス業が中心になり、世界最大の消費市場をどう攻略するかが各企業の課題になっている。そのキーワードとなるのが「地産地消(地域生産地域消費)」だろう。中国で製造したものを自国や第三国へ輸出するというビジネスモデルを脱却し、中国製造・中国販売というスキームである。
この動きは、市民の生活に近い服飾の分野で目立つ。よく引き合いに出されるのがアパレルのハニーズだ。同社はヤングカジュアル向けの婦人服を中心に、商品の企画から製造、販売までを一貫して行うSPA(製造小売業)の代表格。2006年に中国に進出し、13年11月末時点で591店舗を展開中(直営店のみ)。日本を合わせた総店舗数が1432なので、実に全体の4割強の店舗が中国にあることになる。安価でファッション性のある商品は、中国の若者層にも人気で、多くのショッピングモールなどで同ブランドを見ることができる。同じアパレル分野では、ファーストリテイリングの「ユニクロ」、はるやまが展開する紳士服の「P.S.FA」、12年に上海に進出した「しまむら」などが挙げられる。
ハニーズは総店舗数の4割強を中国で展開する
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