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中国O2Oビジネス最前線(1)
15年に7兆円へ、中国のO2O市場規模
2014年3月31日

 ネットとリアルの購買活動が相互に連携し合うO2O(Online to Offline)という概念が登場し、販売戦略の立案や実行の場で聞かれるようになって久しい。この現象は中国でも同様だ。ミニブログの微博(ウェイボー)やチャットアプリの微信(We Chat)に加え、飲食店のクーポン配信やタクシー配車など様々なスマートフォン(スマホ)用アプリを経由してネットとリアルの融合を図るビジネスモデルが創出されている。
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中国のO2Oビジネスはテイクオフしたばかり


 スタートしたばかりのビジネスのため、規範化されていないことも多く、産業の全体像をつかむのは難しい。また、商習慣が異なる日本と中国の状況を単純比較することは妥当ではないかもしれない。それでも、ネット業界のみならず消費産業全体に革命的な変化をもたらす可能性を秘めたO2O市場を理解することは、今後の中国ビジネス展開において非常に重要だ。各企業の取り組みや具体例を挙げながら、中国のO2Oビジネスのヒントを探ってみる。

 リサーチ会社のiiMedia Researchによると、中国におけるO2Oの市場規模は2011年時点で562億3000万元(約9560億円)に上った。一方、同じ年の日本の市場規模は24兆4000億円(野村総合研究所まとめ)。中国のO2O市場は日本の25分の1程度という結果になる。また、日本の場合、O2O市場は年間総消費支出約120兆円の約20%に当たる。これを中国に当てはめると、市民消費支出が約11兆7300億元なので、O2O市場はその約0.5%に過ぎない。中国のO2O市場は日本の規模よりはるかに小さく、しかも消費支出に占める割合がかなり低いと言えよう(※日本の総消費支出は食料品、日用品、外食、レジャー、旅行、不動産、ソフトウェア、衣料品、家電などの総計。中国の市民消費支出は、食品、衣料品、不動産、日用品、娯楽・レジャーなどの都市部及び農村部の数字を合算)。

 もっとも、中国のO2O市場はこれから大きな成長を遂げると予想されている。iiMediaによると、13年には1765億元市場にまで拡大したようだ。15年には4188億元に達するとされ、11年比で約7.5倍の市場になる見通しだ。

 一方、EC市場全体に占める比率はまだまだ低い。iResearchのまとめによると、13年の中国EC市場は9兆9000億元規模だったが、そのうちO2Oは1.2%にとどまった。B2B市場が77.9%、ネットショッピング(B2C+C2C)が18.6%を占めたのに比べると小さい数字だ。逆に言えば、まだまだ成長余地があるとも見られる。(続)

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