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90後の消費スタイルと最新トレンドを探る(1)
お金の心配なく積極的な消費スタンス
2014年8月8日

 「90後(1990年代生まれ世代)」が中国の消費の主役に躍り出ようとしている。年齢でいうと15~24歳で、半分ほどが社会人になっている層だ。学生時代に培った情報収集法や様々なライフスタイルの体験がこれから実際の消費に結びついてくることだろう。
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買物に積極的な90後


 我々は今回、改めてこの世代の消費特性やライフスタイルを確認するため、上海在住の90後の男女16人(学生8人、社会人8人)に対してグループインタビューを行った。彼らのホンネが垣間見れる興味深い内容で、一世代前の「80後」とは異なる世界観を伺うことができた。インタビューを通じて感じ取れた90後の消費とライフスタイルの特徴をまとめてみる。

★「90後」の消費とライフスタイルの特徴
①「おねだり」と「月光族」、お金の心配なく積極的な消費スタンス
②情報収集とコミュニケーション、微博と微信を使い分け
③進む健康志向、手に取るのは無糖飲料?
④「自分撮り」のニーズ増、画像加工アプリが人気
⑤ブランド志向は健在、落ち着いたスタイルに高評価
⑥ゲーム感覚で進化する友人との集まり
⑦“日本製”へのアレルギーはほとんどなし


①「おねだり」と「月光族」、お金の心配なく積極的な消費スタンス

 90後は基本的に経済面での心配はしていない。平たく言えば、お金には困っていないということだ。この背景には親の存在がある。90後の多くは一人っ子で、両親や祖父母に大事に育てられた。意地悪な言い方をすれば甘やかされて育った世代である。彼らは生活を家族に過度に頼る傾向が見られ、両親も我が子を宝物のように育てている。そのため、90後は経済面で親に依存しており、買い物の際の「おねだり」が日常茶飯事となっている。中国では若者が高価なブランド品を我が物顔で買っている場面に遭遇することがあるが、その多くは親のカネを使っているのであろう。「90後が消費をけん引する」という言い方が一部であるが、正確には「90後の親が消費をけん引する」と言った方が適切なのではないかと思うくらいである。

 また、社会人になっても実家にそのまま住み続ける者が多く、結婚までは濃い親子関係が続くことになる。彼らの多くは、給料を1カ月でに使い切ってしまう「月光族」。稼いだお金を自分自身の趣味や友人との付き合いに費やし、貯金はほとんどしない。そして、足りない場合は奥の手として両親へのおねだりがある。中国の若者を生活面と経済面から見ると「半分独立、半分すねかじり族」という図式が成り立つ。(続)

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