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「90後」に触発される中国の外食産業(1)
新コンセプトのレストランが続々登場
2014年11月27日

 国家統計局のデータによると、「90後」(1990年代生まれ世代)は全人口の約17%を占めている。数にして約1億7000万人だ。ただ、消費市場への貢献度は15%と高くない。彼らはまだ15~24歳で、学生が大部分を占めているという背景もあるのだろう。ただ、向こう5~10年間で90後が社会に出てくると、経済や社会をけん引する一大勢力になることが容易に予想できる。ACニールセンは、2020年には90後の消費貢献度は35%に達すると見ている。
90後の特徴を表すキーワードとして「三高」が挙げられる。「高学歴」「高収入」「高い自信」の三つだ。

 一人っ子世代で親からの寵愛を受けて育ったこの世代は、教育面でも大きな恩恵を受けており、何不自由なく勉強に打ち込むことができる。2000年時点で1041校だった普通大学の数は2000校以上に倍増したことも高学歴化を後押しする追い風。都市部を中心に大学進学率が上昇しており、海外留学者数も右肩上がりである。

 また、大卒者の増加と共に賃金水準も上がっている。北京大学の調査センターのまとめによると、14年の大卒者の平均月収は2443元という。上海の大学生が3241元と最も高く、北京は3109元だ。一方、ACニールセンによると、85~95年生まれの平均月収は3111元。都市部に限れば3000元前後がこの世代の平均的な給料となりそうだ。

 「高い自信」とは、将来に対する見通しを指す。これもACニールセンのまとめだが、同世代は経済面及び消費面で他の世代より明るい見通しを抱いているという。中国経済の高度成長期に育ってきた世代ならではの楽観的な考えということができうだろうか。ただ、彼らは今後、「ポスト高度成長」の時代を生き抜かなければならず、就職、結婚、マイホーム購入、両親の世話などの経済面及び心理面での負担が増大していく。これらの「未知なる負担」が消費動向にどう影響を与えるのかが注目ポイントとなる。(続)

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