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「70後」「80後」「90後」のライフスタイルを徹底比較
世代で異なる消費観念
2015年9月14日

 中国では世代別の消費観念や流行を分析することが一つのテーマになっている。かつては「80後(1980年代生まれ)」の消費動向をウォッチし、彼らに受ける商品やサービスを探していくのがメインだったが、今はその前後の世代、すなわち「70後」や「90後」を合わせて比較分析していくことが多い。
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中国消費は若者層が引っ張る


 70後は30代後半から40代前半の層で、仕事と家庭を両立している者が多い世代だ。消費力もあり、社会の中心になりつつある。80後はその下、20代後半から30代前半の者で、社会に出て数年経ち、経済的にも独立して、消費意欲の旺盛なセグメントと言える。90後は10代後半から20代前半の世代。スマートフォン時代に育ち、新しい物に敏感な者が多い。

 今回、我々は各層から一般市民6~8人を招き、グループインタビューを行った。人気商品やネット通販の利用状況、海外旅行や日本への関心度、家族観や人生観などに至るまで様々な質問を行い、興味ある回答が得られた。今回は特に日本旅行の経験がある者、日本商品への関心度が高い者を中心に集まってもらったので、現代の中国人の対日観を知るのに非常に有意義なインタビューになった。

 一例を挙げると、皆の日本製品に対する信頼度は非常に高く、また価格的にも安いと感じていることが分かった。昨今の訪日中国人観光客による「爆買い」の現象は、日本ブランドへの信頼感が背景にあると共に、やはり元高円安という為替メリットもあるのだろう。また、「日本で買う日本製品は本物」というそもそも論的な回答があったのも興味深かった。同じ物が近所で売られていても、「中国で販売されている」というだけで偽物かもという懸念が浮上してしまうようである。

 また、70後は生活が安定しているからなのか、個人や国のさらなる成長や発展に期待を抱いている半面、80後の中には「狭間の世代」と感じている者も少なからずいた。経済成長の恩恵を受け切れていないという少々やっかみ的な気持ちもあるのかもしれない。90後はまだ社会に出たばかりのためか、将来の計画はしっかりと持ち合わせておらず、自分の欲しい物を買いたい、友達と美味しい物を食べたい、などという身近な話題に終始していた感もある。

 対日感情については、ほとんどの者がポジティブだったのも印象的だ。日中関係の良し悪しは政治問題に過ぎず、市民生活には全く関係ないという冷静な意見があったのは注目に値するだろう。(続)

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