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娯楽文化の浸透する都市~長沙②
2011年8月15日

 このほか、特筆しておきたいのが、長沙のもう一つの特色、足裏マッサージである。筋骨をリラックスさせてストレスをやわらげたいのであれば、足裏マッサージは最良の選択である。長沙人は常々冗談で「毎晩、長沙人の半分が、もう半分の長沙人の足裏マッサージをしている」「北京は首都なら、長沙は足裏の都」などと言ったりする。長沙市商務局のデータによると、現在長沙には、足裏マッサージ店が大小あわせて1万軒以上もあり、営業面積4000平米以上の店が15軒、1000平米以上の店が1000軒以上ある。業界全体の年間売上額は30億元以上で、全市GDPの2%を占めており、毎年の税収は2億元を超え、全市の従事従業員数は15万人を超える。確かに「足裏の都」の名に恥じていないようだ。

 娯楽精神に溢れる長沙人が、中国で最も人気のある娯楽テレビ局、湖南衛視を育て上げた。中央テレビ局や大部分の地方テレビ局がいつも杓子定規な番組を制作しているのと違い、湖南衛視の方針は、すなわち「楽しい中国」であり、多くの評判、興行成績ともに優れた総合番組を作り出している。「快楽大本営」、「越策越開心」、「天天開心」からオーデション番組の「超級女声」など、これらの娯楽番組は、長沙人のみでなく全国的な範囲にまで影響を与えている。特に、大人気のオーディション番組「超級女声」、「快楽女声」、「快楽男生」は、全国を席巻するブームを引き起こした。いわゆる「草の根オーディション文化」を形成し、李宇春、張靚穎などのスーパーアイドルを創出し、長沙の娯楽の都としての地位をさらに確固たるものとした。また、湖南衛視も台湾、韓国から大量のトレンディドラマを導入し、25歳以下の若者の視聴者層(以前は全くテレビを見なかった層である)の取り込みに成功した。そのため、長沙には台湾や韓国の流行文化が他の都市よりもより深く浸透し、より高い商業価値を生み出すこととなったのである。

 2010年、中国の最も幸福感を感じる都市の選考結果では、娯楽都市の長沙が見事その役目を果たした(その他の都市は、重慶、杭州、成都、昆明、南京、長春、広州、通化及び無錫)。長沙人になぜ幸福だと思うのかと問えば、以下の回答が得られる。「おいしい湖南料理を食べて、愉快な娯楽テレビ番組を見る、又はカラオケで歌を歌ったり、バーに繰り出したり、足裏マッサージに行ったりする。どれも骨の髄まで幸せと喜びを感じることができる」。長沙人のある言葉が、長沙人の生活スタイルを物語っている。一人ならインターネットカフェ、二人ならズンチャチャ(ダンス)、三人なら足裏マッサージ。四人いればマージャンで、五人ならカラオケ、バー。長沙人は遊ぶのも、消費するのも大好きで、娯楽が生活に与える幸福感を享受している。

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