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台頭する新興富裕層の実態に迫る(3)
「爆買い」インバウンド消費に貢献している人たちとは?
2015年11月30日

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富裕中産階級の特徴(1)

  近年、訪日中国人観光客の「爆買い」が大きな注目を集めているが、この消費に大きな貢献をしているのが富裕中産階級だ。彼らはライフスタイルの向上を追求し、安全かつ安心な製品を使うことを望んでいるため、電気炊飯器やウォシュレットなどの家電製品を買い求め、ドラッグストアやお土産店で大量購入する。このような富裕中産階級はどのような特徴を持っているのだろうか。

  フォーブス誌と中国宜信財富による中国のマス富裕層(投資資産60万~600万元を持つ中産階級)の調査によると、14年末時点での同層の人口は1388万人で、前年比15.9%増加した。15年末までには1528万人に達する見通しだ。

  同調査によると、マス富裕層の過半数が若者で、30~49歳に集中している。30歳以下は19%、30~39歳が35.5%、40~49歳が24.6%、50~59歳が14.3%、60歳以上が6.6%となっている。教育レベルでは、過半数が本科生以上の学歴を有する。職業別では、貿易が20%、金融が19.5%、製造業が12.2%、TMT(通信、メディア、テクノロジー)が10.3%、不動産が10.2%だ。中国は従来型産業から新興産業への転換時期にあり、職業分布も社会の富のトレンドに影響されている。マス富裕層のうち、51.7%が民間企業で働いており、国有企業や政府関連機関で働く者は合わせても25%程度。うち、国有企業で働く者は18.5%だ。資産の出所の大部分は、給料及びボーナス、配当、金融商品への投資から得られる利益などだ。また、ほとんどの者が既婚者である。
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 マス富裕層は基本的に生活状況に満足しており、「幸せ」「比較的幸せ」と答える者が多い。「不幸せ」とする者は1.8%に過ぎない。健康、富、事業が彼らの幸福感を左右する重要な要素であり、投資資産が多いほどプレッシャーも少ない。
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  競争が激しい社会において、多くの者がレジャーや趣味を通じてプレッシャーから解放されようとしている。経済的条件が良好なマス富裕層も例外ではなく、旅行、フィットネスを趣味としている者が多い。自動車やヨットは若者に人気があり、何かのコレクションは中高年の間で普及している。(続く)
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