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大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (14)
マニュアルと指導手帳で業務を標準化・効率化
2016年6月28日

 

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「良食局」はオンラインとオフラインを組み合わせた中国シッピングセンター業界初のO2O会員体験型プラットフォーム
  天津大悦城は会員限定の体験センター「良食局」を運営している。良食局はアプリのオンラインショップと、オフラインの実店舗を組み合せた中国ショッピングセンター業界初のO2O会員体験型プラットフォームだ。会員はアプリをダウンロードし、自身の会員ポイントを登録すれば、ポイントを商品に交換することができる。交換申請後は良食局の実店舗で商品を受取ることができる。このシステムは一見シンプルなのだが、実際には数多くの工夫や趣向が凝らされている。交換できる商品を見ても、他のショッピングセンターの交換商品とは全く異なり、どれも良く練られたユニークで消費者が好みそうな商品やサービスばかりだ。

  例えば、東北産の白米一袋の場合、自ら包装し、袋に字やイラストを描いて、印鑑を押すことができる。また自分でコーヒー豆を挽き、そのコーヒーを味わうサービスや、若者が好みそうな多肉植物、水栽培植物に交換することも可能だ。ポイントが足りない場合はスマホや現金で不足分を支払うことも可能。

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「良食局」では中国東北産の白米を自ら包装し、袋に字やイラスト、印鑑などでDIY装飾が可能
  良食局は内装も独特で、一般の会員センターには程遠く、どちらかというと有機食品の店か、シンプルなコーヒースタンドを思わせる。店内には10種類以上の東北米、コーヒー豆、こだわりの生活用品が並べられ、訪れた会員はそれらを見て回った後、コーヒーを頼んで一休みすることもできる。

  良食局のアプリは運営開始後7ヶ月でダウンロード数20万超、電子会員数10万、1日当りの平均アクセス率も9.8%を実現している。実店舗の方も開店後3ヶ月で採算点に達した。15年上半期、良食会の会員体験センターのオープンにより天津大悦城の会員売上高は2.2億元を突破、前年比で80%の増加だった。また良食局はその革新性を評価され、15年のICSCアジアショッピングセンター大賞「ニューコンセプト」部門銀賞を受賞している。

マニュアルと指導手帳で業務を標準化・効率化

  現在、大悦城の商業管理センターに所属する30人のチームメンバーのうち、20~30代の若者が大部分を占めている。最も若いスタッフは「90後」だ。これは大悦城の中心ターゲット顧客とも同世代であり、彼らを理解し、ニーズをつかみ、それを反映していくのにもふさわしい世代といえる。

  大悦城ではまた管理の標準化と高効率化を特に重視している。テナント募集については、本部の商業管理部が「大悦城商業操作マニュアル」を作成、テナント管理の全過程を細部まで標準化し、発生し得る問題についてその処理方法まで掲載している。また各大悦城のプロジェクトチームがテナントと接触する過程で遭遇した問題をまとめ編集し、類似状況発生時の処理方法を掲載して各チームが大悦城のテナント募集の手法を理解するのに役立てている。テーマストリートといった戦略的商品についても、本部が「大悦城街区商業工作計画」「大悦城街区商業発展企画」等のマニュアルを作成、各ストリートを展開するうえでの指導的役割を果たしている。

  この他にも、各プロジェクトに対して100以上の類似の指導手帳が交付されるほか、本部やプロジェクト責任者が定期的に現場を訪れ、指導を行っている。入居者に対するサービス・管理については、大悦城の管理部が国内初のスマート巡回管理アプリを開発、このアプリを通じて段階別管理、資料共有、追跡管理等を行っている。入居者の何らかの情報を得ると、店長、エリアマネージャー、ブランド本部に即時連絡が行くシステムで、これにより管理効率は大幅にアップした。(続)

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