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テレビ業界の風雲児「Letv(楽視)」が大躍進 (1)
テレビ”ばらまき”でユーザーを囲む「生態」戦略を具現化
2016年7月29日

 

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Letvが「ハードウェア無料」の大型キャンペーンを実施
  今年4月14日、中国家電業界において驚くべき販促キャンペーンが展開された。「Letv(楽視)」がハードウェア無料の大型キャンペーンを実施、消費者はLetvの会員になるだけで、入会料とほぼ同額のハードウェア製品を無料でもらえるというものだ。Letvが発売した「超級電視(テレビ)」を例にとると、3年の「超級影視(動画)会員」(490×3=1,470元)になると合計3,169元相当の「楽視超級電視」 (機体価格1,699元+3年超級動画会員費1,470元)が手に入る。

  このお買い得感満点のキャンペーンの結果、Letvは前代未聞の売上を記録した。「414ハードウェア無料デー」と称されたこの日の総売上は23.6億元を突破、うち会員費だけで20.2億元に達した。スマートハードウェア及び関連製品の売上も8,500万元に達し、テレビの販売台数は54.9万台を超えた。スマートフォン(スマホ)の販売台数も58.2万台に達した。

  今回のキャンペーンにより、Letvは中国のカラーテレビ市場のトップブランドに躍り出た。市場リサーチ会社「奥維雲網」が公布した2016年4月のテレビ売上速報、及び市場リサーチ会社「中怡康」の「2016年4月中国カラーテレビ市場ブランドシェア率」報告によると、Letvの「超級電視」の4月の売上は71万台、中国のテレビ売上全体の19%を占めた。全ての販売チャネルの合計売上でトップに立ち、「月間売上ナンバーワン」、「4月期中国カラーテレビブランド市場シェア1位」を獲得した。

  「超級電視」は2013年7月3日に発売され、14年の売上は150万台、15年は300万台を売り上げた。16年の目標は600万台だという。中国のテレビ業界全体が不況にあえぐ中、Letvは3年に満たない短期間で目を見張る躍進を遂げ、家電業界全体を揺るがした。

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Letvは動画配信サイトからテレビ、スマホ、自動車、自転車、スマートヘルメットなど、ハード製品の販売へと業務を多角化
  またLetvはスマホ、自動車、自転車、スマートヘルメット等、インターネットに関係するあらゆるハード製品を販売、自社ブランド製品も扱っている。なかでもスマホの勢いはテレビに勝るとも劣らない。2015年5月の発売以来、1年で販売台数はすでに1千万台を突破、携帯電話の新ブランドとしては最短時間で1,000万台突破の記録を樹立した。Letvのこの成功の秘訣はどこにあるのだろうか?ハードウェア無料という大胆なプロモーション戦略の狙いは何か?ブランドの発展戦略は?以下ではこれらの疑問を明らかにしていきたい。


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