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中国医療環境の現状から考える「健康関連産業」の発展潜在力とチャンス (6)
保健食品が健康産業全体の発展の主役 (1)
2017年3月9日

 

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2015年、中国の保健食品の市場規模は2,360.64億元に達した
 中国人の経済力は上昇を続けており、消費構造も絶えず変化している。人々の生活レベルに対する要求も高くなり、高齢化に伴う健康関連サービスの需要も伸びている。若年層の亜健康問題の深刻化もあり、結果的に健康産業全体が大きな成長期を迎えている。健康産業には、
①医療サービス機関を主とする「医療産業」
②薬品、医療器械、その他医療消耗材の生産販売を主とする「医薬産業」
③保健食品、健康関連製品の生産販売を主とする「保健品産業」
④健康検査・評価、コンサルティングサービス、保養・回復、保障促進等を主とする「健康管理サービス産業」
が含まれる。なかでも③の保健品産業は成長ポテンシャルの最も大きい業界だ。

 2009~15年、中国の栄養保健食品産業は年平均で13.5%の成長を実現、15年の市場規模は2,360.64億元に達した。しかし、中国の保健食品市場にはまだ大きな発展の余地が残されている。 栄養補助剤を例にとると、アメリカ及び日本の市場浸透率がそれぞれ85%と70%であるのに対し、中国はわずか20%だ。中国人の保健品消費の平均支出額はアメリカの1/5、日本の1/6に過ぎない。一方、中国の60歳以上の人口比率は2011年に13.3%だったのが、15年には16%に達しており、20年には17.5%になることが予想されている。(図12:中国保健品市場規模)
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 中国消費者協会と広東省現代健康産業研究院の調査によると、中国食用保健品の消費者は増加傾向にあるが、全体的な支出レベルは未だ低水準であり、また保健品に対する理解と満足度も高いとは言えない。調査では、1週間に1回以上ビタミン・ミネラルを摂取する消費者は23%、自身の身体状況に基づいてビタミン・ミネラルを摂取している消費者は11%に止まった。

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中国の消費者は国内の保健品ブランドに対して不信感を持つが、海外の保健品には信頼を寄せる
 支出面でもヒアリング対象者の過半数は、毎月の保健食品支出が300元を超えず、500元以下が約20%、1,000元以下が約10%だった。7割近くの消費者が、保健食品について「あまりよくわからない」と回答し、同じく約7割が国内保健食品市場に「不満足」と回答している。このような国内の保健品ブランドに対する不信感は、海外の保健品ブランドにとって中国市場における発展の絶好のチャンスだといえる。 

 中国産業網のデータによると、中国保健品市場において、現在最大のシェアを誇るのはアムウェイ(Amway)の11%、次が無極限(Infinitus)で10%となっている。 トップ10企業が占める市場シェアは約50%で、市場占有率はそれほど高くない(図13:中国保健品ブランドトップ10)。 
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