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広東省消費現場視察レポート (21)
【珠海】「一帯一路」政策の要、確実視される潜在力
2017年11月3日

「一帯一路」政策の要、確実視される潜在力
レジャー開発が活発、消費主導の経済成長の模範都市に
 
 

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珠海の街は高く聳えるヤシの木で彩られ、南国のムード満載中
珠海市は珠江の河口の西南部に位置する面積1711.24㎢、人口167.53万人の街。東は海を挟んで香港に接し、南側はマカオに隣接している。広州へも広珠軽軌鉄道でわずか55分の近さだ。

  珠江デルタで海洋面積が最も広く、島の数も最多、海岸線も最長の都市だ。美しい海岸風景で知られ、「百島の町」、「ロマンチック都市」と称される。街は高く聳えるヤシの木と赤い鳳凰木で彩られ、南国のゆったりしたムードに満ちている。

  拱北地区からマカオに直接通じていることもあり、マカオと珠海両方のナンバーを持つ車があちこちで見られる。スーパーにもマカオの特産品が大量に並び、マカオにいるかのような錯覚すら覚える。

  珠海市は1980年に経済特区に指定された。中国で最も早く対外開放された経済特区の1つだ。 拱北、九洲港、珠海港、万山、横琴、闘門、湾仔、珠澳跨境工業区という8つの国家一類口岸(出入国検査場 ※国務院が認可し、中国籍及び外国籍の人員、貨物、物品、及び交通手段が直接出入国できる海(河)、陸、空の旅客・貨物港 )と、珠海市横琴新区、珠海高新技術開発区、珠海保税区、珠海高欄港経済区、珠海万山海洋開発試験区の5つの経済機能区を擁している。

  16年には市のGDPが2,226.37億元に達し、前年比8.5%増、広東省で第十位となった。これは省内では中間的位置といえる。産業比は2.2 : 47.6 : 50.2。また、16年の社会消費品小売総額は前年比11.0%増の1,016.13億元だった。

  経済特区であり、またエアコン世界シェア30%を誇る「格力(GREE)」や、中国最大の健康食品メーカー「湯臣倍健」、「金山科技」等の著名企業が本拠を置く都市ながら、珠海のGDPはそれほど高いとは言えない。しかし、珠海と香港、マカオを結ぶ世界最長の橋「港珠澳大橋」が開通すれば、珠海の発展にも大きく寄与すると期待されている。

  また、珠海は中国の「一帯一路」政策の重要都市でもある。

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珠海は中国の「一帯一路」政策の重要都市、新しい空港を建設
 珠海港控股集団と中海港控は共同でパキスタンにグワダル港を、また貴州に国際陸港を建設中だ。今後、西南地区及びその周辺の貨物は貴州に集められ、珠海港から国際市場に送られるようになる。中国内陸部にとっては東南アジアや南アジアに通ずる直接のルートが開かれることを意味する。海上と陸のシルクロードによる経済ベルトは珠海を通して結ばれるわけだ。

 空路の面でも、総合空港が完成し、珠海を中心とする5時間飛行圏で、東南アジア国家及び国内都市の90%以上がカバーされるようになった。珠海は「一帯一路」政策の海上シルクロードの中心都市であり、今後の飛躍的発展が期待されている。

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