中国は今や、スマホで何でもできる社会ではなく、スマホがないと何もできない社会。車の移動もその例に漏れない。車を呼ぶのも探すのもシェアするのも全てスマホアプリ上で完了してしまう。
拡大する配車サービス市場
上海はナンバープレートによる通行規制がある |
中国では最近、上海や北京などの主要都市では、ネット配車アプリなしではタクシーやシェアライド車を探すことが困難になってきている。特にシェアライド車は、昨今流行りのシェアリングエコノミーの産物として最近世に出てきたばかりだが、中国ではすでに都市交通手段として広く定着。今やバス、タクシー、マイカーと並ぶ第4の選択肢に加わっている。
一部の都市では、ナンバープレートによる通行規制や高騰するマイカー維持コストを考慮すると、ネット配車を利用したほうが遥かに経済的ともいえる。
上海の場合、平均的な配車サービス1回の利用料は36元。一方、マイカーを保有した場合の1年のコストは6万6910元で、換算すると配車サービスを毎日5回利用できる計算となる。低価格なだけでなく、乗客と車両の間のアンバランスをピンポイントで解決することができるのもネット配車のメリットといえる。
中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が公表した「2018年第42回中国インターネット発展状況報告」によると、2018年6月末時点で中国のネット配車タクシーのユーザー数は3.46億人。17年末に比べて20.8%増の5970万人増だったという。
ネット配車シェアライドのユーザー数も2.99億人で、同時期比26.5%増の成長。利用率も30.6%から37.3%に上昇している。
このように、ネット配車サービスは完全に中国人の生活の一部となりつつある。(図1:ネット配車タクシー/シェアライドのユーザー数と利用率)