中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (10)
三・四線級都市の消費力が急伸
2019年4月22日
三・四線級都市の消費力が急伸

  天猫の「双11」消費データを見ると、消費額の多いトップ10都市は一線・二線級都市に集中しているが、過去10年間の成長が最も著しいのは二線級都市で、三線・四線級都市の消費も伸び続けている。三線~六線級都市の消費者の割合も年々増加している。(図10:2013~17年の各級都市の消費者数比率 )
graph_10.jpg

  アリババグループの財務報告によると、2018年4月から6月に新たに増加した2500万人の淘宝・天猫年間アクティブユーザーのうち、8割が三線・四線級都市と農村部の消費者だったという。またオンライン旅行サイト「飛猪」のデータによれば、18年にプラットフォーム上で旅行商品を購入したユーザーのうち、三線・四線級都市の消費者は54%を占めたもよう。

Consumer_5.jpg
ECを利用する三線・四線級都市と農村部の消費者が増えている
ユーザー数の増加だけではない。クオリティの高い商品や個性を重視した商品でも三線・四線級都市の消費比率は高まっている。

  健康関連消費で見ると、今年の天猫「双11」において、二・三線級と四線級以下の都市において、健康関連商品やサービスを購入した人の増加率は一線級都市を上回り、それぞれ3.6倍と7.2倍だった。

  これら都市では、健康診断や歯列矯正などの消費の伸びも一線級都市を上回っている。海外の健康関連商品についても、二・三線級と四線級以下の消費の伸びは、一線級都市とほぼ肩を並べている。

  商品の購入だけではない。三・四線級都市の人々はネット出前や「新小売」スーパーなどの新しいサービスも楽しんでいる。

  今年の「双11」セール期間中、浙江省台州市温岭における新小売チャネルでの消費は、前年同期比で110%増、利用者の数も前年比102%成長した。この伸び率は、近郊の大都市である杭州を上回っている。小都市においてもデジタル技術の普及により、大都市との生活レベルの差が感じられなくなりつつある。


このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop