中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


“意外”な発展ぶりのウルムチ消費現場 (3)
ウルムチを代表する友好商圏
2019年7月18日
ウルムチを代表する友好商圏
奢侈品メインの美美友好

IMG_1181.jpg
楼蘭建築風の歩行者ストリートが特徴の「美美友好購物中心」
  「美美友好購物中心」は2008年にオープン。 新疆友好集団と香港系レーンクロフォード・ジョイスグループ傘下でブランド管理を主とする華鐙集団(Walton Brown)が設立。建設面積5万平方メートルの大型百貨店だ。

  グッチ、バーバリー、フェラガモ、エンポリオ・アルマーニ、ゼニア、カルバンクライン、マックスマーラ、ヒューゴ・ボス、D&G、オメガ、コーチなどの一流ブランドが集結。

  シャネル、クリスチャン・ディオール、シスレー、ジバンシー、資生堂、エスティローダー、ラ・プレリーなどのコスメブランドや、ZARA、無印良品、H&Mといった人気店も揃うウルムチ最先端の百貨店といえる。

  建築も個性的だ。全長217メートルの楼蘭建築風の歩行者ストリートが店内を南北に分け、一流ブランド店が両側に並ぶ様子は壮観だ。その 通りの到るところでは屋台式の小型店舗が並び、その多くでは生活雑貨が売られている。マーケットのような雰囲気もあり、賑わう様子はシルクロードのイメージを彷彿とさせる。

若者がターゲットの美美MM2

IMG_1231.jpg
「美美MM2」にあるカフェの内装は幻想的でゴージャス
  美美友好購物中心の向かい側に立つのは、2018年6月に開業したばかりの「美美MM2」だ。美美MM2は若者をターゲットにし、準奢侈品とトレンドファッションを特徴としている。

  華鐙集団が、中国政府系複合企業の華潤集団(万象城・万象天地モール運営)や中糧集団(大悦城モール運営)などと長期の提携関係にある商業管理企業のBaM Paragon(盘古)と共同で管理している。

  店内の空間デザインとブランドセレクションは洗練され、北京や上海など一線級都市のモールにも引けをとらない。i.t.、Aape、Superdry、QDA等の流行ブランドや、パンドラ、MKなどの準奢侈品ブランドが主流だ。

  ナイキのキックスラウンジ、アディダス、フィラなどのスポーツ系や、eスポーツのAlien Ware、電子書籍キンドルの専門店、コスメではMac、フレッシュ、クレ・ド・ポーなど、ウルムチでは以前目にすることのなかったブランドが並んでいる。

  パブリックスペースにはアートが並び、室内ガーデンや菜園などもある。 これらは全て若者のセルフィー需要を満たすための仕掛けだ。

  各階にあるカフェやドリンクスタンドの多くは複合型経営の店で、日用雑貨や花、ライフスタイルなどの要素が組み合わされている。内装も幻想的なものからゴージャスなもの、文創(文化+創造)的なものなどバラエティに富み、SNS(ソーシャルサイト)で情報をシェアすることを好む若者のニーズを見事に反映している。 

このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop