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中国人インバウンドのプロモーション方法は?
目指せ!抖音で「網紅(ネットで人気)」に!!
2019年9月18日
抖音で人気に火がついた重慶「洪崖洞」

抖音で人気に火がついた重慶「洪崖洞」

 先日、日本でホテルや温泉旅館を運営されている方から、中国人のインバウンドの「有効なプロモーション方法は?」について聞かれました。私は「抖音(ドウイン)」ですと即答しました。

 抖音は日本でも「Tik Tok(ティック・トック)」として若者を中心に大人気のショート動画アプリ。会報誌18年4月号でも取り上げましたが、音楽に合わせたコミカルな動作やダンスを15秒内でユーザー(素人)同士が披露(投稿)し合うことで人気に火がつきました。

 最近ではこうしたダンスだけでなく、寸劇やペット、グルメ、フィットネスなど様々なジャンルの動画で溢れています。そうした中、人気なのが各国の観光地やリゾート地で撮影した動画です。

 私もたまに抖音で、スイスの雄大な自然を電車内から撮影した「車窓の風景」的なものから、雲南省・大理の湖が一望できる高級ホテルの室内などの動画に魅了されます。

 重慶の洪崖洞や軽軌穿楼(モノレールが“突っ込む”アパート)などは抖音で紹介され“網紅(ネットで人気)”となったことをきっかけに、19年の春節(旧正月)には重慶への旅行客数が4726万人で全国トップになったほど。会報誌7&8月合併号で取り上げた「中国人の旅行実態」でも、人気観光地ランキングで杭州の西湖や北京の故宮に続き、洪崖洞が第4位にランクインしています。

 1日のアクティブユーザー数が2億人超とされる抖音。今やテレビは見ないけどスマホで「抖音は毎日見る」という若者ばかりです。スマホ1つで簡単に始められますし、出店料や運営費がかかるものでもありません。

 プロが念入りに企画・撮影したものよりは、素人の目線、特に中国人の感性から撮影されたもののほうが心に響きます。また日本のTik Tokではなく、中国の抖音で投稿する必要があります。

 そういう意味でも、中国からの観光客に抖音で撮影・投稿してもらい、その際には宿泊費を割り引くのもいいでしょう。それがまた微信(ウィーチャット)など口コミで広がる効果も期待できます。

 中国語のウェブサイトを立ち上げて、百度(バイドゥ)で検索してもらう。どこかのデパートで観光誘致フェアを開催するといった昔ながらのやり方は改めましょう。「今(いま)の中国」に即したプロモーション方法でアピールしていきましょう。
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