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二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(15)
貴陽のコンビニも急発展 凱輝便利が120店でリード
2019年11月5日
コンビニ業態も急発展
凱輝便利が120店でリード

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中高級コンビニというポジショニングの「時開便利店(Sky Mart)」
  近年来、貴陽ではコンビニエンスストアの発展も目覚ましい。 凱輝便利、時開(Sky Mart)、老友記(Old Friends)、YOYO、国安社区、紅華便利などが代表的で、貴陽の新旧市街エリアで急速に増加している。

  家電量販チェーン大手の蘇寧(スニン)傘下の蘇寧小店、電子商取引(EC)大手の京東(JDドットコム)傘下の京東便利店も勢力を伸ばしている。昔ながらのタバコ屋などのパパママショップ(家族経営の零細小売店)のコンビニ化も進んでおり、置かれる商品も多様化しつつある。

  中国チェーン経営協会が公表した「2017中国都市コンビニ指数」によると、貴陽は22位。西南地区では5位の成都と19位の昆明に次いで3位となっている。貴陽で目にすることが最も多い凱輝便利は、全国ランキングで63位。現在120店を展開している。

  2013年に開業した時開便利店は、中高級コンビニというポジショニングだ。 現在店舗数も50店を超えている。清潔で明るい店内に、広々としたイートインスペースを設けているのが特徴。

  輸入食品の比率も6割に達し、製品ごとの平均輸入比率も5割に達している。貴陽の消費者の「消費昇級(アップグレード)」トレンドが垣間見える。

合力超市(スーパー)が注力
政府主導の「惠民超市」

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貴州地場の大手スーパー「合力超市」
  貴州省は中国で最も貧困人口の多い省の一つだ。市民の「買物難、物価高」の問題を解決し、農民の貧困脱出と収入増を図るべく、貴陽市では2015年より公益性と市場化を結合した「惠民生鮮超市(スーパー)」システムを構築、流通価格の抑制に取り組んでいる。

  2018年末時点で市内にすでに154の惠民超市を開設。都市コミュニティのカバー率は100%に達している。

  惠民超市は民営の流通企業が設立を請負うシステムで、前述の星力集団傘下の星力超市も複数の惠民超市をオープンさせている。もう一つの地場企業「貴州合力超市集団」も惠民超市の主要設置企業の一つだ。

  現在、貴州合力超市集団は貴州省内に85の店舗を展開しており、年商45億元。 毎年調達する省内産の農産物は総額15億元に上る。

  合力超市はさらに各地で売れ残った農産物を良心的な価格で買い取り、「貴州特産品コーナー」や「緑色農産品コーナー」などを設置して販売。安くて良いものを売る店というイメージを確立している。

  先進的な生鮮物流センターには、50台の冷蔵輸送車両と18台の常温輸送車両を配備。1日の取扱量は約600トンから1000トンに上る。1日の車両出荷回数も約80回から100回に及び、貴州合力超市集団の全店舗への配送を担っている。

  1.6万平方メートルの通常商品倉庫には、配送車両40台を配備。1日平均50回、年間取扱量1000万箱前後という目下貴州省で最も先進的な物流センターの一つだ。

  合力超市は輸入品の売上も伸びている。2020年には輸入商品の売上が1億元を突破すると見込んでいる。

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