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【第236回】 今度はサッカーで中国にアピール

カープ優勝で望む広島ブランドの活用

2016年9月14日更新

NHKの中継で25年ぶりのカープ優勝の瞬間に立ち会えた
NHKの中継で25年ぶりのカープ優勝の瞬間に立ち会えた
 カープ優勝!!やりました。ようやくです。実に25年ぶり。四半世紀です。長かった、本当に長かった。広島で生まれ育ち、ちょうど物心つき始めた幼稚園のときに、79年、80年と日本シリーズ2連覇。手作りの応援旗を手に、テレビの前で釘付けになっていた記憶がまだ鮮明に残っています。前回リーグ優勝した91年、私は高校3年生。クラスメートが仮病を使って広島市民球場に西武との日本シリーズ観戦に行っていましたが、私も授業が終わると速攻で帰宅し、テレビ観戦しました。

 その後はカープの低迷期とともに、海外生活の身となったため、なかなかリアルタイムに情報をキャッチアップできませんでしたが、年末に実家に戻るたびに「今年もまたダメじゃったね……」というのが定番のセリフになりました。広島で活躍した選手が揃って巨人や阪神など人気球団にFA移籍するなど、そうした球団の「2軍」や「育成場」などと揶揄されたこともありますが、移籍した選手が活躍している姿を見るとなぜか嬉しく思っていたのは、広島の県民性によるものなのかもしれません。

 そういう意味においても、昨年、米大リーグから黒田、また阪神から新井が戻ってきたことは本当に嬉しくもあり誇らしく思ったファンも多いのではないでしょうか。「カープ女子」という流行語とともに“にわか”カープファンが増えた際も、それを排除するどころか、純粋に「カープを好きになってくれてありがとう!」という気持ちのほうが強かったはずです。

 昨今のカープ人気の盛り上がりは、09年にオープンしたマツダスタジアムの存在も大きいでしょう。私も同年に初めて訪れましたが、とにかく場内の雰囲気や臨場感に感動しました。天然芝もそうですが、フェンスのない観客席や選手との距離感、また観客と球場との一体感など、まるでアメリカの「ボールパーク」にいるような錯覚すら覚えました。カープファンじゃない方々にもぜひ一度は広島旅行がてら、この雰囲気を体験していただきたいと思います。

 今号は若干中国ビジネスとは離れた話題となってしまい恐縮です。中国との関係においては、台湾を除き、野球がほとんど相手にされていないのが現状です。そうしたなか、このカープ人気を中国でもというのはちょっと乱暴な議論になってしまうのですが、中国でも大人気のサッカーであれば、それも可能なのではと思います。同じ広島を本拠地とするサンフレッチェは、昨年末のクラブW杯で中国でも圧倒的な人気を誇る広州恒大を破り、知名度も上がっています。現在、本拠地スタジアムの移転問題で行政ともめていますが、ぜひとも市民球場跡地にマツダスタジアムにも劣らない素晴らしいサッカー場を建設し、中国チームが訪れるような日が来てくれたらと願っています。

 個人的には圧倒的にカープファンなのですが、中国との接点においては、ぜひとも「サンフレッチェ」というソフトパワーもぜひ有効活用してほしいと願うばかりです。


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