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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第381回】 自動車業界も「世代論」が重要に
中国も若者のクルマ離れが進む?
2019年8月14日
シェア自転車が若者のクルマ離れを加速させた(?)
シェア自転車が若者のクルマ離れを加速させた(?)
 シェアライドなどのMaaS(モビリティ・サービス)やコネクテッドカー、自動運転にITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)など、世界をリードする分野も出始めた中国自動車業界。特にBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)と称されるネット大手3社が、強大な資金力と政府からのバックアップをベースに、精力的に参入、事業開発を進めています。

 これまで「モノづくり」的な製造業の色が濃かった自動車メーカー各社も、ビッグデータを豊富に所有するネット企業との協業が余儀なくされる中、中国の自動車業は今後どんな方向に向かっていくのでしょうか。

 その解を探る上で、ヒントとなるのが中国の「世代論」です。中国では生まれた年代を10年毎に区切って一括りにする方法論がよく使われます。例えば、1980年代生まれを「80後」、90年代を「90後」という風にです。

 ここで注目すべきは「00後」。2000から09年生まれの世代ですが、一番上は今年19歳となり、いよいよ消費の主力層として存在感を示し始めます。一方で、「00後」世代は幼少期から経済的に恵まれた家庭環境で育ち、かつ物心つく頃には携帯やスマホが当たり前の世代。経済成長も「新常態(ニューノーマル)」となり、将来に対する過度な期待もありません。

 日本でも若者がクルマを欲しがらなくなったと話題になっていますが、まさに中国でも同じ現象が…。スマホ片手にひきこもり、買い物はネット通販、食事も出前、娯楽はゲームという「仏系」(≒草食系)青年が増殖中。これまでのブランドを見せびらかす「面子(メンツ)消費」とは真逆の「里子(内面)消費」を好む傾向にもあります。

 さらに一番厄介なのがシェア自転車。16年に「mobike」が登場し、17年にはシャアリングエコノミーの新騎手として“一世風靡”しましたが、18年に入り各社とも資金難に陥り、下火に。日本では「計画性なし」が露呈したと揶揄していますが、見るべき点はそこではありません。注目すべきは中国の若い世代に自転車は買うものではなく、必要な時に「借りる(利用する)」ものだと根付かせたことです。

 自動車も近い将来、必ずこうした時代が来るでしょう。特に「00後」など若い世代が消費層の主流になるにつれ、カーシェアリングの普及が一気に加速するかもしれません。

 日本車の販売台数の増減に一喜一憂している場合ではありません。自動車業界や市場だけでなく、全体の消費動向をウォッチしながら、業界の垣根を越えた発想・戦略がより大事になっています。多様化・個性化する中国人消費者のニーズをいち早くキャッチし、対応する。まさにマーケティング視点での中国市場攻略が求められています。
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